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Paviorsのディテール【Relaxing Worker Sandals】

この春、RWSシリーズ・第三弾となる「Paviors(ペイヴァーズ)」を発売します。




”Paviors”とは中世から近代における「舗装路職人」の意です。

石畳や煉瓦舗装によって都市インフラを整備した重要な人々です。

いささか古風な言い回しですが、すなわち彼らの歴史がそれほど古くから営まれている証しとも言えるでしょう。


そもそも”道”は、文字通り人類の歩みに不可欠なものであり、時代や国境を超え受け継がれてきました。

ローマ街道からシルクロード、Route66まで……。

今回は特に”アメリカ最初のハイウェイ造り”に従事した彼らに着想を得て製作いたしました。


(引用:Road construction site. Men making curbs I)
(引用:Road construction site. Men making curbs I)

甲革は伊タンナー「MARYAM」のフルベジタブル・ホースバットを使用。

馬の腰から臀部にかけて採れる、密で丈夫な部位です。

一枚仕立てであってもヘタらず、アンラインドブーツにも採用されるほど。

RWS共通スペックの「わらじラスト」を記憶させた肉厚なアッパーは、構造上遊びの多いサンダルであっても安心感をもたらしてくれます。




丹念なブラッシングにより冴えたツヤ感が増し、茶芯が顔を覗かせます。

使い込むほどに豊かな表情を見せてくれるのは間違いありません。


(引用:Wisconsin Historical Society)
(引用:Wisconsin Historical Society)

アメリカでは1908年にT型フォードが量産されはじめ、モータリゼーションの機運が高まっていきました。

従来の移動手段と言えば早馬や馬車など、馬の力を利用した場合が一般的でした。

しかし自動車は馬よりもスピーディーで、餌や馬糞の管理に気を揉む必要もありません。

お役御免となった馬の多くは食肉、そして革として活用されました。

今日でも名品と呼ばれるアビエイタージャケットやライダースジャケットの多くが、ホースハイドによって仕立てられています。

人類の都合に振り回されながらも、のちに到来する自動車時代・飛行機時代を支える功労者となったのです。


グレートジャーニーから続く、人類の「移動したい」という欲求に対し、歴史上直接的に貢献してくれた馬たちへのリスペクトを込め、アッパー素材に採用しました。




ソールはVIBRAM IzalcoSole(イザルコソール)を搭載。

スチレンブタジエンラバーを用いたタウンユース用コンパウンド。硬すぎず柔らかすぎず、日常使いにおいてバランスの良い配合に仕上がっています。

ヒール積み上げは、高反発EVAを削り出し作製しました。

EVAのクッションは接地時の衝撃を吸収しつつ、歩行時における自然なローリング(荷重移動)をアシストします。

コンクリートは硬く足への疲労が蓄積していくため、長時間の歩行にはショックアブソーバーの存在が重要になります。


良くも悪くも自然な土くれが剥きだしのダートロード(未舗装路)と、高速巡行を実現せしめるコンクリート・ハイウェイでは、求められるスペックが異なるのは当然です。






過去に発売したLamberjackはアウトドアレジャー用、Charcoal burnerは近所履き用と、その属性を対極に据えてきました。

この度デビューするPaviorsはその中間に位置する存在です。

踏み出す足をしっかりと支えるコシのあるアッパーと、舗装路特化したバランス型のソールコンストラクション。


”移動する喜び”を与えてくれる『Paviors』を履いて、いつもより少し遠くの景色を見に行きませんか。



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